今回取り上げるのは、受験研究社のロングセラー教材
『小学6年間の計算 復習テスト:この1冊で小学6年間の計算はカンペキ!』
計算力はすべての算数・数学の土台です。
中学受験でも高校受験でも、ここがぐらついていると必ず苦しくなります。
だからこそ「6年間を総復習できる1冊」は強力な武器になるはず――
そう期待して手に取った1冊でした。
受験研究社の計算教材としての期待感
受験研究社は長年、小学生向けの基礎教材も多数出している出版社で、「使いやすい」「紙の手触り感がちょうどいい」教材をよく作ります。
しかし、この教材は少し趣が違います。
紙質がやや(本当にちょっとですが) “つるつる” したタイプで、手に取った瞬間の感触が他の同社教材と違います。
普段から計算の反復練習をする子はもちろんいますが、多くの場合この手の総復習テキストを必要としているのは計算に不安のある子、基礎力を底上げしたい子です。
そんな子にとって、
「鉛筆やシャーペンで書くと滑りやすい」
「手がこすれてやりにくい」
という書き心地のストレスは、地味だけれど意外と大きい問題になります。はんじろう塾ではコピー取りして使ったりしました。そのほうが伸びますね。
紙の手触り感は学習の継続性に直結します。
やりたくない→先延ばしになる→結局触らなくなる
というパターンは、何度も見てきました。
ここは率直に伝えておきたいポイントです。
全体構成:6年間の計算を幅広くカバー
この教材は、小学1年生から6年生までの計算を「復習テスト形式」で幅広く網羅しています。
四則計算はもちろん、
・くり上がり・くり下がり
・分数
・小数
・割合
・速さ
・面積・体積
といった、学年が進むほど必須になる単元まで入っています。
1回分のボリュームも適度で、「やり切った感」を味わえる構成です。
一回ごとに区切って取り組みやすく、塾の宿題や家庭学習の“1日の仕上げ”にも使いやすい印象です。問題の難易度は中間帯レベル。いいと思います。
模範解答が「答えだけ」という致命的な弱点
この教材で一番気になる部分はここです。
模範解答が「答えのみ」という形式がほとんど。
基礎がしっかりしている子や、計算の“やり方”が身についている子なら答えだけを見て復習することもできます。
しかし計算が苦手な子や基礎が不安な子の場合、「どこでつまずいたのか」「どこが間違っているのか」がわからないままになりやすいです。
これは致命的です。
復習とは、本来
「間違いの理由を知り、次に同じミスをしないこと」
ですが、解答が答えだけではそこまで到達できません。
低学力層ほど、ここで脱落するリスクが高いです。
保護者サポートは必須
この教材を家庭学習で使うなら、断言します。保護者のサポートが必須です。
子ども一人で取り組ませると
「答えが合っていない」 → 「なぜ合っていないのかがわからない」 → 「やる気が下がる」
という負の連鎖に陥る恐れがあります。
一問一問一緒に確認し、
「どうやって考えたの?」
「ここはどういう手順?」
と声をかけながら進めていくことで、初めて価値が出るタイプの教材です。
この意味で、
「親子で一緒に取り組む教材」
として前提条件を置いた方が良いと思います。
価格について
税込 1,210円 は、小学生向けの市販教材としてはやや高めに感じます。
同ジャンル・同程度のボリュームの計算ドリルが1,000円前後で出ている中では、
価格による“期待値”も高くなります。
「6年間の総復習」というしっかりしたコンセプトがあるとはいえ、解説の充実度やサポート前提の設計を考えると、価格に見合うかは使い方次第だと感じます。
まとめ:基礎の定着を目指すなら“親子で使う一冊”
『小学6年間の計算 復習テスト』は、総合力で見ると 良くできた構成の復習テキストです。
しかし、
・紙の感触がやや好みを選ぶ
・模範解答が解説に乏しい
・サポート前提の教材設計
という点は率直に伝えておきたいポイントです。
この一冊を最大限に活かすには、保護者が横について、子どもの考えを引き出しながら進める、という姿勢が大事になります。
基礎力をしっかり定着させたいと考える家庭には、「親子で取り組む演習教材」としておすすめできる一冊です。
